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NANO SPACE ODYSSEY(re-release) |  | クレジットはオリジナルを見てください。 |
| Numbers: | 沢山います。 | 沢山あります。 | Memo: | bridge からcover jacketを変えてた形で復刻しました。 写真は私が撮影当時茨城大学におられた菊地義昭博士の指導のもとに走査電子顕微鏡で撮影した淡水産かいあし類のメスにオス二尾が取り付いて交尾しようとしている瞬間です。必死であります。 このうちどちらかしか交尾できません。交尾といっても、かいあし類のオスは自分の精嚢を、開口部についているcoupling devise 使って雌の受精嚢にはめ込むような形らしい。早い者勝ちということか?!そのような生殖システムを持っているということになる。 しかし、オスはどこから精嚢を出してくるの見たことがありません。判らんことだらけである。
<自分で書いたライナーノート> NHKの「ナノ・スペース」という画期的な科学番組の音楽を制作することになった。 ナノ・メートルという単位を知ったのは、番組の映像を見てからである。1ナノ・メートル(nm)は10億分の1メートル(10 )である。水素原子の直径は0.1nmで、水分子が約0.2nm、DNAの2重螺旋の径は2nmであります。細胞の中で呼吸鎖とATPアーゼを使って生命エネルギーの共通通貨、ATPを作り出しているミトコンドリアの径は1nm、その長さはおおよそ2nm。 ちなみにわれわれが微生物と思っているミジンコ(微塵子)は見ようと思ってみれば視認できる。その大きさは大雑把に言うと0.5mm〜3mmぐらいの間に収まる。多細胞生物は巨大である。しかし、nmの世界は電子顕微鏡でなければ見ることができない。 私たちの住むこの世界はミクロとマクロに向かってとんでもない広がりと深さを持っている。極限ミクロ10 は漢数詞で浄。極大マクロ10 は漢数詞で無量大数。唖然だ。 その世界の中で私たちは自分で感じたり、思ったり、フォン・ユクスキュル言うところの環世界からの体験、学習なり、思い込みなり、洗脳なり、錯覚なり、想像なりを駆使している。その結果、正義は勝つだの、神はわれわれに味方してくれるとか、諸行無常だの、生々流転、色即是空とか、判ったような判らない人生を生きて死んでいくことになる。 科学はほとんど自動的に頑張ってきたが、ここに来て倫理と哲学が脱落した科学技術は人間性を崩壊に導いている部分が肥大してきたように感じる。これもまた幻想ですが!! このCDは、91年11月末、モンゴル高原より戻った後にNHKのスタジオへ1ヶ月通いつめて録音したものである。 今は亡き武満徹さんにこのCDを送ったところ、ハガキでご丁寧な返事を頂き、とても嬉しかった。武満さんに聴いてもらっただけでもういいやと思っていた。その前後だったと思うが、あるコンサートを聴きに行ったあと、打ち上げで同席しておられた武満さんに「どっか飲みに行きませんか」とお誘いしたら「うん、行こう」といわれてびっくりした。横に居たビル・ラズウェルに「おい、武満徹さんと飲みに行くぞ!」と、「なに?!」とビル。さっさと3人でタクシーに乗って新宿の居酒屋だ。朝5時まで飲んでしまった。貴重な思い出は私とビルの間で語り草である。 2009.2.4. 坂田明
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